誰かに秘密を伝えるということは、信頼関係なしにできるものではない。同盟国に機密情報を伝えるのも、これと同じである。トランプ米大統領は同盟国からもたらされた機密情報をロシアに漏らしたことで、信用ならない人物だと自ら表明したようなものだ。これによって、米国の安全保障は深刻なダメージを負った。
諜報活動における信頼関係は崩れやすい
機密情報の共有は、相互の信頼関係に基づいており、その構築には何年もかかる。そこには互いに危険を冒して得た情報を保護することも含まれる。諜報活動における信頼関係は崩れやすいものだ。裏切りだけでなく、ミスによる情報漏洩によってですら、関係は切れてしまう。トランプ氏が行った行為とは、まさにこのことだ。
同氏がロシアに伝えたのは、ノートパソコンに爆弾を仕込んで旅客機を墜落させるというイスラム国(IS)のテロ計画だが、実行場所など欧州の同盟国に伝えられていない情報が含まれていた。
コーツ米国家情報長官と米国に存在する16の諜報機関のトップにとっての問題は明白だ。トランプ氏は国家の最高機密を守るつもりがあるのか、ということである。これは諜報機関と大統領の関係を根本から覆す問題だ。
たとえば、大統領に対してCIA(米国中央情報局)が毎日行っているブリーフィング。これは1960年代に始まり、「PDB」の名で知られるものだが、諜報機関による情勢分析およびトップシークレットの情報源からもたらされた生の報告が毎朝、大統領に伝えられている。
他国の諜報機関が慎重になる可能性
だが、情報漏洩事件があった今では、トランプ氏に報告する情報の選別に影響が出ている可能性がある。現場の諜報員は、生身の情報源を危険にさらすわけにはいかないからだ。
海外にいる米国の諜報協力者にとっても、問題は深刻だ。今回の機密漏洩が、他国の情報提供に影響を与えていないと考えるようでは、現実を知らなすぎる。最終的にトランプ氏に届けられることになる機密情報の提供について、他国の諜報機関が慎重になるのは間違いない。ロシア政府に関する情報となれば、なおさらだ。
トランプ氏がトップの座にある以上、米国に機密情報を伝えれば、余計なリスクを背負い込むことになるかもしれないのである。
さすが東洋経済!ストレートな記事ですね。。。
とはいえ、今年の日記平均はまだまだ上に行くと思ってます。
一度大きく落ちたら仕込みたいです!
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